睡眠負債??寝不足が蓄積するデメリット
睡眠負債という言葉、最近になって頻繁に使われるようになりました。
新語・流行語大賞のTOP10にも睡眠負債という言葉自体がノミネートされ、一躍メジャーな言葉になっています。
比較的新しい言葉である睡眠負債ですが、寝不足が蓄積することによって起こる、体や生活におけるデメリットは一体どのようなものでしょうか?
睡眠負債について説明すると共に、放置したことによるリスクなども交えてご紹介していきます。
睡眠負債ってなに?
まず、睡眠負債についてですが、その字の如く、毎日の睡眠不足が負債のように日々積み重なっていくことを指します。
お金でいう「借金」に例えた新語で、この睡眠負債によって様々な健康被害を及ぼしたり、生活習慣病につながるほか、メンタル的にも害を及ぼしてしまいます。
睡眠負債は毎日の出来事ですので、中々実感しにくいものですが、この負債の積み重ねにより借金と同じようにいつの間に膨れ上がってしまうのです。
日本人のおよそ40%が睡眠時間が6時間未満で、睡眠負債を抱えていると考えられています。
6時間睡眠を2週間続けた場合と、2日徹夜した場合の人では脳の働きが同じくらい低下しているとの研究報告もあります。
日本人の多くが自分では気づかない間に睡眠負債を抱えてしまっているのです。
睡眠負債の解消法
睡眠負債は気づかないまま溜まっている場合が多く、身体だけでなく、脳にも負担をかけています。
脳に疲れがたまると、判断力が鈍り仕事だけでなく、日常生活にも支障を及ぼしてしまいます。
そうならないためにも、睡眠負債を解消していきましょう。
睡眠負債を解消するには遅くはありません、自分でできる解消法をご紹介します。
睡眠時間を十分にとる
まず、根本的な話ですが睡眠負債の負債を減らすためには睡眠時間を十分にとりましょう。
しかし日々の生活で中々睡眠時間をとることが難しいという方も多いかもしれません。
その場合、睡眠時間も大事ですが、睡眠の質を重視しましょう。
睡眠は眠り始めの90分が重要と言われています。
その90分を質の良い睡眠にするためにも、就寝前にスマホやPCを見るのは避けましょう。
スマホやPCから放出されているブルーライトは頭を活発にする作用があり、眠りたいのに頭が興奮状態になって眠れないということが多々あります。
さらにスマホやPCに夢中になって、睡眠時間を削ってまで見ている方が非常に多いため、睡眠負債の原因ともなっています。
眠る前のスマホやPCは睡眠にとって悪影響でしかない為、極力眠る1時間前までには見ないようにしましょう。
寝つきが悪かったリ、目が覚めてしまう場合は睡眠薬を使ってみる
もし何かしらが原因で寝つきが悪かったり、寝ている途中で目が覚めてしまうなどが続く場合は、睡眠薬などを使ってみるのも改善方法の一つです。
睡眠負債は気づかない間にたまっている可能性が高く、自分は大丈夫と思っていても実はジリジリと不調が迫ってきている状態まで追い込まれている可能性があります。
睡眠薬にはいくつか種類があり、寝つきが悪い場合は、超短時間~短時間の睡眠薬、途中で目が覚めてしまう場合は中時間型などを選びましょう。
睡眠薬は使用方法を守ることで、きちんと効果を発揮することができます。決して量を多くしたり、何回も服用したりしないようにしましょう。
睡眠負債と不眠症や寝不足との違い
睡眠負債とは不眠症や寝不足がたまってしまうことを指し、不眠症や寝不足などとは異なります。
睡眠負債を改善するために1日寝貯めしたとしても、睡眠負債を一晩の睡眠で返すことはできません。
改善するためには、毎日の睡眠時間や質が関係してくるのです。
自分では十分に睡眠がとれていると感じていても、気づかない間に睡眠不足になっている事も睡眠負債と言います。
そのため、不眠症や寝不足が原因で睡眠負債が溜まるという表現が一番正しいかもしれません。
睡眠負債を放置するリスク
睡眠負債が溜まっている状態で放置した場合、思いもよらないリスクを伴うことがあります。
毎日の些細な積み重ねですが、放置することで知らず知らずに病に近づいてしまっている可能性があります。
ここでは睡眠負債を放置することで考えられる病気などをご紹介します。
認知症
睡眠と認知症は一見関係ないようにも感じますが、実は睡眠負債により認知症になりやすいと考えられています。
脳内にはアミロイドβという、脳で作られる老廃物があります。
健康な状態であれば、神経細胞の働きが活発な昼間に溜まり、そして就寝中に排出されます。
睡眠時間が少ないと排出されにくくなり、睡眠負債によって老廃物が脳内に蓄積されてしまうのです。
この老廃物の蓄積により、神経細胞が傷つけられアルツハイマー型の認知症の原因にもなりえてしまうのです。
ガン・心臓病
睡眠負債とがんには大きく関係があると研究されています。完全に解明されたわけではありませんが、2008年に東北大学によって、睡眠時間が7時間未満の男性では7時間以上の男性と比較して前立腺がんの発症が1.38倍も高いことが判明しました。
その他にも、大腸がんの発症のリスクが睡眠時間が長い人のほうが低くなるとも分かっています。
これらは睡眠負債により、がん細胞などを攻撃するための免疫機能に対し、悪影響を及ぼすためだと考えられています。
その他にも睡眠負債により、免疫力が低下し、心臓病などのリスクも高まるとも考えられています。
糖尿病
睡眠負債によって、血圧、血糖が上昇してしまうリスクがあり、糖尿病などになりやすくなるとも考えられています。
体内のホルモンバランスが影響を受け、肥満症にもなりやすく、不眠症状が続いた場合、2型糖尿病になるリスクが通常よりも2倍から3倍にも膨れ上がるという結果になっています。
うつ病
睡眠負債が溜まることで、ストレスを知らない間に溜めうつ病の原因ともなりえます。
長期睡眠不足が続くことで、神経細胞がダメージを受け、過剰に興奮したり、ストレスホルモンが過剰に分泌されたりします。
これらにより、神経細胞がダメージを受けるだけでなく、修復する為の働きも阻害してしまう可能性があります。
これらにより、うつ病だけでなく、その他の精神疾患が発症しやすくなってしまいます。
肌トラブルが増える
肌は眠っている間に作られていると言っても過言ではありません。
寝不足の次の日に肌が荒れているのと同じように睡眠負債が原因で肌トラブルも増えていきます。
ただ単に寝不足による肌のトラブルよりも、睡眠負債による肌のトラブルのほうが蓄積率が高く、元の肌へ戻すのにも時間がかかってしまいます。
そのため、肌トラブルを減らすためにも睡眠負債をためないことが重要となります。
まとめ
睡眠負債は知らない間に、溜まってしまい体に思いもよらないリスクをもたらせてる可能性が高いです。
そうならないためにも十分な睡眠時間の確保が必要となります。
日本は先進国の中でも睡眠時間が圧倒的に短く、その分仕事のパフォーマンス力も少なくなってしまっています。
睡眠負債は脳への影響にも関わってきますので無理はしないで、眠れない時には睡眠薬などで十分に睡眠をとりましょう。